「ご機嫌なおじさん」という言葉を知って、ものすごくいい言葉だなと思いました。
きっかけは、永田尚子さんのnoteに書かれていた、「もはや『子育て』は、ご機嫌なおじさんを地球に納品する18年がかりの壮大なプロジェクトである。」という一文。思わず笑ってしまったのですが、読み進めていくうちに、「これって、子育ての本質をかなり突いているんじゃないか」と思うようになりました。
その文章の中には、
壊れたら、また買えばいい。
買えなければ、作ればいい。
作れないなら、借りればいい。
誰かに助けてもらったら、誰かを助けられる人になるだろう。
という言葉も出てきます。
そして、「ご機嫌なおじさんは、基本的に前向きなので、山あり谷ありの人生でもなんとかなる説」について、人生をかけて検証している、と。
これを読んで、私は「子育てで本当に育てたいものって、こういうことなのかもしれない」と思いました。
もちろん、勉強は大切です。英語も大切。読み書きや計算ができることも大切だし、知識を身につけることも大切です。
でも、人生はそれだけでは乗り切れません。
思い通りにならないことが起きたとき、どうするか。失敗したとき、どう立て直すか。
誰かに助けてもらったとき、どう感じるか。
自分と違う考えの人がいたとき、どうするか。
腹が立ったとき、その感情にそのまま振り回されるのか、それとも一度立ち止まれるのか。
そして、自分の人生を誰かに決めてもらうのではなく、自分で考えて、自分で選んでいけるのか。
私は、こういう力こそ、子どもが大人になったときに大きな支えになると思っています。
心理学や教育ではこうした力を「非認知能力」と呼びます。
たとえば
- レジリエンス:うまくいかないときにも立て直す力
- 自立性:自分で考え、行動する力
- 共感力:相手の気持ちを想像する力
- 感情をコントロールする力:怒りや不安などに振り回されず、自分を整える力
- 挑戦する力:失敗しても、もう一度やってみる力
- 自己表現力:自分の気持ちや考えを言葉にする力
こういうものは、テストの点数のように簡単には測れません。
でも、人生のいろいろな場面で、じわじわと効いてくる力です。
そして、こうした力は「教える」だけでは身につきにくい。失敗したり、考えたり、人とぶつかったり、自分で選んだり、誰かに助けてもらったり。そういう経験の積み重ねの中で、少しずつ育っていくものだと思います。
だからこそ、子どものために大人ができることは、「失敗しない環境をつくる」ことではなく、「失敗しても大丈夫だと思える環境をつくる」ことなのかもしれません。
たとえば、
- 全部答えを教えるのではなく、一緒に考える
- すぐに助けるのではなく、できるところまで自分でやらせてみる
- 失敗したときに責めるのではなく、「じゃあ、次はどうする?」と聞いてみる
- 子どもに「こうしなさい」と言うだけではなく、大人自身が楽しみ、挑戦し、失敗する姿を見せる
そして、大人自身も人生を楽しむ。ご機嫌でいる。困ったときには誰かに頼る。失敗したら、また立て直す。
そういう大人の姿そのものが、子どもにとって一番身近な教材なのかもしれません。
AIがどんどん進化していくこれからの時代。
- 教えられたことを覚える
- 正解を知っている
- 知識をたくさん持っている
そういった「認知能力」の一部は、これからますますAIが得意になっていくでしょう。
だからこそ、私はこれからの時代には、非認知能力がより重要になっていくと思っています。
AIに答えを聞くことはできても、「自分はどうしたいのか」を決めるのは自分。
AIに正解を教えてもらうことはできても、失敗したときに立ち上がるのは自分。
そして、
- 人の気持ちを想像する
- 人と信頼関係をつくる
- 自分の感情を整える
- 自分で考えて決断する
- うまくいかないときに立て直す
- 誰かと協力して問題を解決する
こうした力は、これからの社会でますます大切になっていくと思います。
だから私は、子どもたちに「英語ができる人」だけを目指してほしいわけではありません。
英語は、世界とつながるための大切な道具。でも、その道具を使って、どんな人生をつくっていくのか。最後にその人生を支えるのは、知識だけではなく、その人自身の力です。
どんな環境でも、自分で考えて、人と支え合って、転んでもまた立ち上がって、
「まあ、なんとかなるよ」
と前を向ける。
そんな「ご機嫌なおじさん・おばさん」を地球に送り出す。
それくらいの気持ちで子どもを育てていくのも、なんだかいいなと思っています。
そして、これからの教育で私が大切にしていきたいのも、まさにそんな力です。
英語力だけではなく。
知識だけでもなく。
その子がどんな環境に置かれても、自分らしく、ご機嫌に人生を歩いていける力を。
はぴぽらでは、英語力と共に、海外の視点を知ることで育つ非認知能力を育てています。
